動画の作り方とは?目的別の動画制作の方法についても解説!

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近年では、動画を活用したコンテンツが多く、個人で楽しむだけでなく企業がマーケティング活動の一環として取り組むケースも増えています。

しかし、今まで動画を作ったことがない人であれば、どのように制作を進めれば良いのか不安になるでしょう。予め必要なものや手順を押さえることで、よりクオリティが高い動画を作れます。

そこで今回は、動画の作り方の基本を解説します。目的別の動画制作の方法についても触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。

 

動画制作の基本的な手順

動画を制作する際には大きく分けて次の5つの手順があります。ここからはそれぞれの手順について解説します。

  • 企画
  • 構成
  • 撮影
  • 編集
  • 出力・アップロード

企画

動画を制作する際は、まず最初に企画を考えるところから始めます。企画は動画制作の根幹であり、完成品の品質を大きく左右するため入念に練りましょう。企画を考える際はどのような動画にするのかの「イメージ」と、どのような人に見てもらいたいのか「ターゲット」を絞り込みます。

また、動画のイメージやターゲットが固まっていない場合は、制作の目的を明確にし関連情報を収集しましょう。動画の目的を明確にすることで制作の方向性が定まり、より円滑に完成まで進めます。

ターゲットを絞り込むことで目標としている相手に動画を見てもらいやすく、再生数アップなどの動画の目的を達成しやすくなります。

構成

企画を考えた後は構成づくりに移ります。構成は動画の流れの骨組みのようなもので、具体的な内容を一度原稿に起こし全体の形を決めましょう。このとき、映画やドラマの映像作品を作るときに使用する「絵コンテ」を活用することもおすすめです。

絵コンテは動画の内容が書かれた設計図で、そのシーンのイメージ絵・セリフ・BGM・演出プランなどが盛り込まれています。構成を作成する際には「視聴者が動画を見る目的・メリット」を意識することで、より内容が伝わりやすいものを作れます。

例えば、「カレーの作り方」という動画があったとき、冒頭に材料や全体の流れといった説明がなく、関係ない話しが長く続くと途中で見るのをやめてしまうでしょう。視聴者が知りたい情報を意識し、動画の流れ・シーンの時間・内容などを決めます。

撮影

構成が完成した後は撮影に移りますが、その前に必要なものを準備します。先程の「カレーの作り方」の動画であれば、料理に必要な材料や鍋・包丁といった調理道具、キッチンなどが必要になるでしょう。

動画の内容によってはスタジオや機材などを借りる必要もあります。構成の段階で必要なものを洗い出し、準備することで当日の撮影をスムーズに進められます。動画の規模が大きくなるほど、事前に手配するものが多くなるため注意してください。

準備するものが少ないシンプルな動画であれば何度も撮り直しできますが、費用をかけてレンタルするものがある場合は、日をまたいで実施する場合は予算オーバーになる可能性があります。

編集

撮影後は調理の工程である「編集」に移ります。編集ソフトを使い構成・絵コンテに従って動画の切り貼りをし仕上げていきます。

撮影したままの動画であれば不要な部分が出るため、必要に応じてトリミングしたり早送りしたりといった工夫が必要です。また、出演者のセリフが聞き取りにくい箇所や重要なポイントは字幕を入れると良いでしょう。

他にも興味を持って動画を見続けられるように、そのシーンに合った効果音や画像に動きを入れる特殊効果などの装飾を入れることも効果的です。これらの編集作業により、適切な効果(エフェクト)を入れることで動画の目的を達成しやすくなります。

出力・アップロード

動画が完成した後はファイルとして出力し、自社ホームページや動画サイトなどにアップロードします。このとき、動画のアップロード先によって容量やファイルの形式などのフォーマットが異なります。

出力する際の動画の形式は使用する動画編集ソフトで変更できるため事前にチェックしましょう。他にも、YouTubeであれば一定の条件を満たすことで、動画に広告を挟み収益化を狙えます。その際の広告の設置方法なども動画サイトによって違いがあるため注意してください。

自社のホームページにアップロードする際は、動画の容量が大きくなるとページ自体が重くなるケースもあるため気をつけましょう。

動画制作に必要なもの

動画制作に必要なものは次の通りです。

  • 撮影機材
  • 編集機器(パソコン)
  • 編集ソフト

撮影機材

動画を制作するには撮影するカメラが必要です。撮影機材によって動画の画質の良さは大きく異なるため、目的に応じた機材を用意しましょう。基本的にはビデオカメラを用意しますが、最近のスマートフォンのカメラでも高画質・音質の動画を撮影できるため、気軽に撮影・動画制作を行いたいときにおすすめです。

動きながら撮影する場合はアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)が適しています。撮影者がカメラを身に付けられるため、両手を自由に使えたり通常のカメラでは難しいアングルのシーンを撮影できたりするでしょう。

例えば、GoProであればスポーツをするプレイヤーの視点で撮影できるため便利です。他にも一眼レフカメラにもビデオ機能があり高画質の動画を撮影できますが、バッテリーはあまり持たないため長時間の撮影には向きません。

また、撮影機材にはカメラ以外にも必要に応じて照明やマイクなども用意しましょう。

編集機器(パソコン)

動画を撮影した後は編集するためにパソコンなどの編集機器が必要です。スマートフォンやタブレットなどでも動画編集は可能ですが、機器のスペックによって作業の円滑さが異なります。また、パソコンを使用するときも性能が低いものでは満足に編集できません。

例えば、機能が優れた編集ツールを使用する場合、低スペックのものでは作業中にフリーズしたり適切に保存できなかったりします。動画編集用にパソコンを用意する場合は、使用するツールに応じて適切なスペックのものを選びましょう。

編集ソフト

先程の通り、気軽に動画を制作したい場合はスマートフォンやタブレットの編集アプリでも問題ありません。しかし、本格的な動画を制作したい場合はパソコンの機能が豊富な有料ソフトを使用すると良いでしょう。

動画の作り方はパソコンとスマホはどっちがいい?

先程の通り、動画はパソコンだけなくスマートフォンでも作れます。ここからはどちらの方が良いのか、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

パソコンのメリットとデメリット

パソコンのメリットはスマートフォン・タブレットなどよりも画面が大きいため見やすく、スペックも高いためスムーズに作業を進められます。動画編集ソフトの多くはパソコン用に開発されており、種類が多いことから自分に合ったものを選びやすいです。

パソコンを使用した動画編集のデメリットは、作業環境が多少制限される点です。デスクトップパソコンは持ち運びできず、ノートパソコンであれば荷物になるでしょう。また、軽量でハイスペックなパソコンもありますが、高価なものが多いです。

同様に高性能な編集ソフトを扱うためのパソコンも高価であり、気軽に用意できない点もデメリットといえるでしょう。

スマートフォンのメリットとデメリット

スマートフォンで動画を制作するメリットはその手軽さです。カメラと編集ツールがセットになっており、場所を選ばずに作業を進められます。現在では、スマートフォンをほとんどの人が所有しており、動画制作のために新しくデバイスを購入する必要はありません。

ただし、パソコンと比較すると性能や編集機能が劣っており、高品質な動画を作るためには工夫が求められます。また、工夫を凝らしたとしてもできることに限りがあるでしょう。編集ツールによってはパソコンでしか扱えないものもあるため、本格的な動画を制作したい人には向きません。

スマートフォンはアプリをインストールするだけで動画制作を始められるため、初心者や短くシンプルな動画を作りたい人におすすめです。

目的別の動画の作り方

動画を制作する目的は人によってさまざまです。ここからは次の3つのパターンの動画について作り方を紹介します。

  • 個人で楽しむための動画
  • 再生数を稼ぐための動画
  • マーケティング用のビジネス目的の動画

個人で楽しむための動画

家族や友人同士など個人で楽しむための動画であれば、好みに合わせた機材を使用すると良いでしょう。例えば、特にこだわりがなければスマートフォンで撮影・編集するだけで十分です。

子どもの成長記録を残したい場合など、画質・音質にこだわりたいときはカメラやパソコンなどは性能を重視して選ぶのがおすすめです。他にも結婚式などのイベントで制作した動画を流すような場合もあるでしょう。

このように個人の範疇を超えるような場合は、使用する画像や音楽の著作権に注意してください。基本的に個人で利用するものであれば、自由度は高く気軽に動画を制作できます。

また、再生時間が短い動画であれば細かく企画や構成を考える必要もないでしょう。

再生数を稼ぐための動画

動画サイトにアップし再生数を稼げれば収益化できるため、趣味の動画を制作し投稿する人は少なくありません。このように再生数を稼ぐことが目的である場合、本格的な機材を用意しクオリティが高い動画制作を目指しましょう。

他にも、多くの人に見てもらうことが前提であるため、動画の企画や構成、編集にも力を入れる必要があります。また、動画を投稿した後、思ったように再生数が伸びない場合は、原因を追求して改善するといったPDCAサイクルを回しましょう。

他にも、再生数が伸びている他の動画を参考にしたり、ターゲットに興味を持ってもらえるようなネタを考えたりすることも重要です。

マーケティング用のビジネス目的の動画

企業が自社の製品・サービスを動画を使い、マーケティング活動に役立てたい場合も本格的な動画を作る必要があります。また、単純に再生回数を伸ばすだけでなく、動画を見た人が何かしら行動を起こすところまでがゴールです。

そのため、動画の再生数や問い合わせ件数、販売数、売上といった成果を挙げられるかが重要視されています。実際に、企業の業務として動画を制作する場合、機材や素材、スタジオのレンタルといった費用以外にも人件費がかかります。

これらのコスト以上の成果を出さなければならないため、よりクオリティの高い動画が求められるでしょう。また、成果を出し続けるためには、動画制作のスキルだけでなくマーケティングの知識なども高める必要があります。

マーケティングに動画を使うメリット

動画は人の視覚だけでなく聴覚も刺激でき、静止画と違い常に変化があるため興味を持ってもらいやすいです。そのため、適切なターゲットに動画を届けられれば自社商品・サービスの魅力をアピールしやすいのです。

実際に動画は情報量が多く印象に残りやすいことから、広告・宣伝効果が高いといわれています。また、スマートフォンの普及によりパソコン以外の端末でも動画広告が見られるようになりました。

動画広告は特に若い世代からの支持を得ており、通勤・通学などの移動中や待ち時間などに見てもらいやすいです。ただし、現在では動画が溢れていることから、見てもらえるように工夫する必要があるでしょう。

また、動画の途中で離脱する可能性もあるため、最後まで見てもらえるような工夫も求められています。

動画広告の制作費はどれくらい?

動画広告の制作を外注した際の費用は、依頼する動画の内容によって異なります。相場は5万円から大がかりな動画であれば300万円以上することもあるでしょう。また、依頼する動画制作会社によっても相場は異なります。動画広告の制作費についてはこちらで詳しく解説しています。

押さえておきたい動画編集の基本操作・用語

動画を制作する際にさまざまなWebサイトのページや書籍を参考にするでしょう。その際に、よく使われる基本操作・用語を押さえることでより理解が深まります。ここからは、押さえておきたい動画編集の基本用語について解説します。

  • トリミング
  • エフェクト
  • クリップ
  • コーデック
  • フレームレート

トリミング

トリミングは「切り取る」という意味で、動画を任意の長さ・サイズにカットしたいときに編集ソフトのトリミング機能を使用します。

画像のトリミングであれば余分な箇所をカットしサイズを合わせますが、動画の場合は空白の時間や不要なセリフを切り取る際に活用します。切り取り位置の開始点を「IN点」、切り取りの終了地点を「OUT点」と呼ぶことがあります。

エフェクト

エフェクトは「効果」という意味であり、主に動画に装飾や特殊効果を加えたい場合に使用します。例えば、動画の内容に合わせて効果音が鳴ったり、画面に電撃が走ったりするものがエフェクトです。

何も手を加えていない動画よりも、このようなエフェクトを活用したものの方が見ごたえがあり、再生数などの成果に繋がります。使用できるエフェクトは使用する編集ツールに依存し、高性能なツールほど多くのエフェクト素材を使える傾向にあります。

クリップ

クリップとは動画編集ソフトで使用する取り込んだ動画素材のことです。使用する動画編集ソフトによっては動画だけでなく静止画もクリップと呼びます。特にAdobeのPremiere Pro(プレミアプロ)でよく使います。

Premiere Proでは読み込んだクリップはプロジェクトパネルに表示され、ファイルの種類がアイコンで表示されるため、編集で素材を選ぶ際に便利です。

コーデック

コーデックとはエンコードとデコードを実行できるツールのことです。一般的に制作した動画データはエンコード(圧縮)したままでは再生できません。再生・視聴するためにはデコード(復元)が必要です。

コーデックは圧縮と解凍の役割があり、動画配信側がエンコードしたものを視聴者側がデコードすることにより再生されています。また、映像データと音声データは別の種類のデータであるため、映像用コーデック・音声用コーデックが存在します。

他にも、コーデックにはさまざまな種類があり、どの種類を使用するかによってファイルの形式が異なるため注意が必要です。

フレームレート

フレームレートとは1秒間の動画に何枚の画像があるかを示す単位です。動画は複数の連続した画像の集合体であり、1秒間の静止画の枚数が多いほどスムーズに再生されます。このフレームレートの単位は「fps」で1fps~240fpsなどがあります。

数値が大きいほど動画の動きは滑らかになりますが、その分容量が大きくなるため注意しましょう。例えば、防犯カメラの映像などは長時間撮影するためフレームレートの数値は低く、スポーツ用のカメラやゲームなどは数値が高くなります。

解説動画の作り方のポイント

解説動画をより見てもらいやすくするための作り方の主なポイントは次の通りです。

  • タイトル・字幕を入れる
  • 素材を活用して雰囲気・情景を伝える
  • スクリーンキャプチャを使う
  • 動画に後からナレーションを追加する

タイトル・字幕を入れる

動画を作成する際は、内容を視聴者に分かりやすく伝える工夫を意識しなければなりません。視聴者はタイトルを見て動画を見るかを決める傾向があるため、どのような動画なのかを端的に伝えられるものにしましょう。

出演者の話し方によっては聞き取りにくかったり、同音異義語で誤解を招いたりする可能性があります。また、音声をオフにしたミュートの状態で動画を再生する人もいるため、字幕も入れましょう。

使用する編集ソフトの中には自動で字幕を入れられるものがあるため活用がおすすめです。

素材を活用して雰囲気・情景を伝える

出演者が話しているだけの動画の場合、変わり映えしないシーンが続くため視聴者が飽きやすいです。特に原稿を読み上げるだけの解説動画の場合は単調になりやすいでしょう。

このような場合は、フリー画像などを活用し内容に適したイメージを挿入することで、雰囲気や情景が伝わりやすくなるため効果的です。

スクリーンキャプチャを使う

スクリーンキャプチャとは、パソコンやスマートフォンの画面を画像ファイルとして保存するものです。ビジネス向けの解説動画の場合は、文章を読み上げるだけでなく実際のパソコンの操作画面の画像を挿入することでより分かりやすくなるでしょう。

動画の内容に合わせてスクリーンキャプチャを使うことにより、視聴者が理解しやすくなりクオリティが高い動画を作れます。

動画に後からナレーションを追加する

出演者が話している姿が映っていないシーンでは、撮影を優先して後からナレーションとして追加する方が失敗が少ないためおすすめです。撮影しながらナレーションを入れようとすると、動画・音声のどちらかにミスがあると撮り直しになるためです。

後からナレーションを入れるようにすると撮影に集中しやすくなります。

動画の作り方でよくある質問

おすすめの編集ソフトはありますか?

本格的な動画を制作したい場合は「Adobe Premiere Pro」がおすすめです。プロフェッショナル向けであり機能面は優れており、世界的にもユーザー数が多いツールの一つです。

アニメーションを入れる場合はどうすれば良いですか?

動画の内容によっては、実写の動画にアニメーションを挿入することで分かりやすい動画になることがあります。実写の場合よりも費用を抑えられることもありますが、自社で制作する難易度は高いでしょう。短く簡易的なものであれば、アニメーションの素材の使用もおすすめです。

まとめ

この記事では、動画の作り方の基本を解説しました。動画はカメラや編集ソフトなどの機材を揃えることで簡単に作れます。特にこだわりがなければスマートフォン1台から制作を始められます。

しかし、動画を作る目的がマーケティング活動のためであるならば、クオリティが高い本格的な動画を制作する必要があるでしょう。高性能な動画編集ソフトを使用するためにはハイスペックなパソコンが必要になるなど費用がかかります。

また、編集ソフトを使いこなし工夫を凝らすためには動画制作の知識・スキルも求められます。まずは動画を作る目的を明確にし、自分に合った機材を選んでみてください。

 

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