タクシー広告とは？メリット・デメリットや配信方法などを徹底解説！
鈴木悠央
昨今、動画広告市場は驚くべき成長を遂げており、今やビジネスにおいて最も効果が出やすいマーケティング施策の一つと考えられています。そして、数ある動画広告のなかでも特に注目を集めているのは「タクシー広告」で、タクシー内のデジタルサイネージに配信されることから集客広告が非常に高いと言われているのです。
そこで今回は、タクシー広告とはなにか解説したうえで、仕組みやメリット・デメリット、さらには効果を出すポイントなどを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
タクシー広告とは？
タクシー広告とは、タクシーの車内に掲示される交通系動画広告です。「タクシーアド」とも呼ばれており、運転手もしくは助手席の後頭部にタブレットが設置されていることが多く、そのタブレットに動画広告を配信し後部座席に乗り込んだ乗客に視聴してもらうことを目的としています。
タクシー広告といえば社内にステッカーやリーフレットを貼り付けることが主流でしたが、首都圏のタクシー会社を中心に動画広告が導入され始め、最近では地方都市圏のタクシーへの導入も進んでいます。
タクシー広告の仕組み
タクシー広告は専用のアプリケーションによってクラウドを経由し、全国のタクシーに動画広告が配信されるという仕組みです。車内にディスプレイを設置して動画広告を表示し、それを乗客が視聴します。
基本的に動画には枠が設けられており、配信される順番、期間、時間、優先度が決まっています。乗車後すぐに配信される最初の動画や長距離で乗車した際に配信される動画などは費用が異なり、配信期間や時間を延ばすと費用は増額します。
タクシー広告のメリット
動画広告というと代表的な媒体はテレビCMやYouTube広告ですが、タクシー広告には他の広告手法にはない大きなメリットがあります。ここからは、タクシー広告をマーケティングに活用する4つのメリットについて紹介します。
乗客の目に留まりやすい
タクシー広告のメリットとして、乗客の目に留まりやすいことが挙げられます。タクシーを1回利用した際の平均乗車時間は18分であり車内は個室空間になっているため、基本的に乗客の視界を阻害するものが少なく目に留まりやすいのです。
また、デジタルサイネージは乗客の目線に合わせて設置されていることも目に留まりやすい理由の一つです。乗客は閉鎖的な空間のなかではやることが少ない傾向にあるため、テレビCMやSNS広告に比べると長い時間に渡って視聴してもらえる可能性が高くなります。
経営層や富裕層へ効果的にPRできる
経営層や富裕層へ効果的にPRできることは、タクシー広告を活用する最大のメリットといっても過言ではありません。一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会が行った「タクシーに関するアンケート」によると、会社経営者の約半数以上が月に10回以上タクシーを利用すると回答しています。
この結果から、タクシーは電車やバスなど他の交通機関と比較すると料金は高いものの、移動の利便性が高いため経済的に余裕がある層からの利用が多いと考えられます。
また、経営層や富裕層は忙しい人が少ないないため、テレビやSNSを見る時間をなかなか設けづらいです。このことから、テレビCMやSNS広告では訴求しづらい情報もタクシー広告を活用することで効率よく伝えられます。
つまり、経営層や富裕層をターゲットとした高額商材や投資商品、法人向けの商材のPR効果に期待できるでしょう。企業の決裁権を持った人に直接アプローチができる点は、タクシー広告の魅力です。
ゆっくりと動画広告を見てもらえる
テレビCMやSNS広告は配信しても見てもらえない、あるいはスキップされる可能性があります。また、街中にある広告や電車広告については、雑音が多く広告に集中してもらえないことが考えられるでしょう。
その点、タクシー広告はゆっくりと動画広告を見てもらえる点がメリットとして挙げられます。タクシーの車内は閉鎖的で個室のプライベート空間であることから、広告に抵抗感を感じさせず乗客は広告に集中しやすいです。
さらに、タクシーの平均乗車時間は18分と言われていることから、広告の内容をしっかりと見せられます。経営層や富裕層は1ヶ月で複数回タクシーを利用する傾向にあるため、何度も動画広告を見てもらうことで効率よく認知度を向上させられるのです。
ターゲティングしやすい
タクシー広告は乗客や時間帯、曜日に合わせて配信内容を変更できるため、ターゲティングしやすい点もメリットの一つです。さらに、タブレットに内蔵されている「顔の自動認識機能」を活用することで乗客の顔を自動で認証し、年齢や性別を判別して乗客にとって最適な広告を配信できます。
配信する広告を出し分けて狙ったターゲットのみに効率よく配信できるのです。その結果、自社のターゲット層とタクシー利用者の客層に合わせて時間、エリア、曜日を絞り配信することで、広告の無駄打ちを防ぎ高い訴求効果が期待できます。
タクシー広告のデメリット
タクシー広告には他の広告にはない多くのメリットがある一方で、デメリットに挙げられる点もあります。広告運用を成功させるためにも、十分に理解しておきましょう。
配信コストが高い
一つ目のデメリットは、配信コストが高い点です。ドアステッカーやアドケースであれば比較的リーズナブルな価格で配信できますが、動画広告の場合は他の広告媒体と比較すると最低料金は高めに設定されています。なお、リスティング広告やディスプレイ広告などのWeb広告は最低出稿額が決まっておらず、数十円から数百円単位で広告を配信可能です。
一方、タクシー広告の場合は1枠1週間の配信で最低でも数十万円が必要となり、さらに首都圏のタクシーで広告配信する場合は200万円から700万円ほど必要となります。
タクシー広告の場合は乗車してから一番最初に流れる動画が最も視聴される傾向にあるため、1本目に再生されるプランにすればさらに高額になるのです。
そのため、費用をできるだけ抑えたい場合は2本目以降に流れるプランを選択する、あるいは配信時期や時間を調整するなどの対策をしなければなりません。コスト面のハードルが高いという理由で、タクシー広告の出稿を断念するケースも少なくないのです。
視聴者が限定的
タクシーは他の交通機関と比較すると利用者や利用回数が限られているため、視聴者が限定的という点もデメリットです。また、タクシー1台あたりの1日の乗客数はどれほど多くても数十人程度であるため、どうしてもリーチ数が少なくなります。
これらから、より多くの人にPRをしたい、大衆に対する認知向上を目的としている場合は不向きです。なお、若年層はタクシーに乗る機会が限られているため、自社の商材のターゲットとマッチしているかを見極めたうえで配信を検討してください。
費用対効果を測定しにくい
タクシー広告は他の広告媒体と比較すると、費用対効果を測定しにくいです。例えば、Web広告の場合はクリック率やコンバージョン率などの方法で広告成果を確認できます。
一方で、タクシー広告は視聴した人のその後の行動を追跡することができないため、費用対効果を確認するためには視聴者がタクシー広告でPRした商材を認知し、問い合わせた人がどれくらいいるかを調査しなければなりません。
動画広告内にQRコードを表示したり、意識づけた検索ワードをつけたりなどの工夫により、ある程度の指名検索数やCVの推移を把握できます。
タクシー広告の配信方法
ここからは、タクシー広告を配信するまでに準備すべきことを解説します。これからタクシーの車内で広告を出稿しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
配信会社を決める
まずは、タクシー広告の配信会社を決めましょう。配信会社によって配信地域、使用デバイス、配信メニュー、費用が異なります。
会社によっては広告の合間に最新ニュースやビジネスコンテンツを配信し興味を高める工夫をしている場合があるため、そのような会社選びをおすすめします。
ターゲットを決める
次に、広告を配信するターゲットを明確に決めましょう。ターゲットが決まっていなければどの地域で配信しても広告を視聴した人の心に響かず、広告効果が得られないという事態に陥りかねません。
タクシー広告を視聴するターゲットはどのような課題を抱えているかを考え、さらにタクシーを利用する人のなかでターゲットを絞ることがポイントです。
広告を制作する
配信会社とターゲットが決まれば、いよいよ広告の制作に取り掛かります。動画広告は短い時間で自社の商材やサービスの魅力を伝えなければなりません。そのため、自社の商材やサービスを利用することでどのようなメリットがあるのか、競合他社との相違点は何か、ターゲットは自社商材やサービスを利用することで何を解決できるかなどの情報を盛り込み制作しましょう。
しかし、いざ自社で広告を制作しようとしても撮影機器が揃っていなかったり、動画制作に関するノウハウや経験がなかったりする場合があります。
特に、消費財でなくIT商材の場合は動画制作自体のレベルが高くなり制作時間が長くなってしまうため、動画制作会社に依頼することも検討してください。
タクシー広告で効果を出すポイント
タクシー広告は、ただ動画を制作して流すだけで効果を得られるものではありません。より効果を出すためには、他の広告とは異なる以下のポイントを意識することが大切です。
タクシー広告の特徴を押さえる
まずは、選定したタクシー会社が取り扱うタクシー広告の特徴を押さえましょう。タクシー広告は日常的にタクシーを利用するビジネスマン、経営者、決裁権を持つ役職者、富裕層などを対象とする業種に向いています。そのため、特にSaaS系サービスを含めたBtoBサービスのPRにおすすめです。
他の広告媒体にはないタクシー広告ならではのメリットを十分に得るためにも、タクシー広告ならではの配信を意識することが大切です。また、広告を配信するタクシー会社のサービスなども理解したうえで配信を行いましょう。
配信環境の特性を活かせる動画を作る
タクシー会社によって広告の配信環境はさまざまです。配信媒体によっては音声がない、あるいは音声機能があってもタブレットからは流れない設定にしている場合があります。
そのため、事前に配信環境やどのようなタブレットを利用しているか、音声付き配信に対応しているかなどをリサーチし、配信環境の特性を活かせる動画を作りましょう。
ターゲット・配信エリアを決める
ターゲットと配信エリアが不明確な場合、どのエリアで配信しても誰の心にも響かず、広告による効果が得られません。そのため、まずはタクシー利用者のなかでどのような人をターゲットにするかを決めてください。
タクシーはエリアや時間帯で客層が大きく異なるため、ターゲットが少ないエリアで広告を配信してもあまり意味がありません。
自社のターゲットとなる人がどのエリアでタクシーを利用することが多いかという情報をもとに、作成した動画の配信エリアを決めましょう。
アニメーションストックが利用し効率化を図ろう
タクシー広告を制作する際、素材集めには「アニメーションストック」がおすすめです。アニメーションストックは合同会社hooopsが提供している動画プラットフォームサービスで、低予算かつ超時短で動画広告を作成できます。
さまざまなユーザーのニーズに合わせて多くの素材が提供されているため、幅広い動画制作が可能です。BGMとテキストを付けるだけで誰でも簡単に動画広告を制作できるため、ぜひ活用してみてください。
まとめ
この記事では、タクシー広告とは何かを説明したうえで、仕組みやメリット・デメリット、さらには効果を出すためのポイントなどを解説しました。
多くの企業が社内での決定権を持った人や法人に対するアプローチ方法に頭を悩ませているのではないでしょうか。そのような悩みを解決するうえで、タクシー広告は特性上ビジネスパーソンや経営層の人に効果的にアプローチができることから昨今需要が高まりつつあります。
法人営業や経営層へのアプローチに課題を抱えている場合は、ぜひタクシー広告の活用を検討してみてください。
