TikTok動画広告の作り方とは?制作に役立つツールも紹介
若い世代を中心にユーザーが多い動画を中心としたSNSの「TikTok」。TikTokも他のSNSと同様に動画広告を配信でき、拡散力が高い点が大きな特徴です。
さらに、TikTokのプロモート画面では機能が優れたクリエイティブツールが用意されているため、特別な動画編集ソフトを用意せずに効果的な動画を作成し、配信できます。
そこで今回は、TikTok動画広告の作り方について解説します。制作に役立つツールもあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
TikTok動画広告とは
TikTok動画広告はビジネス向けの「TikTok for Business」にて、目的に合った広告を配信できるプラットフォームです。「TikTokプロモート」とも呼ばれるもので、自社ブランドなどの投稿を活用することにより、マーケティングに利用できるアプリ内の広告ツールでもあります。
TikTok クリエイティブツールキットとは
TikTokにはプロモート管理画面には効率良く広告動画を作成できる「クリエイティブツールキット」というものがあります。
このツールはTikTok 運用型広告の広告アカウントから誰でも無料で利用できるため、これから広告配信をする人は内容を押さえると良いでしょう。
クリエイティブツールキットを使用する場合は、TikTok 広告の管理画面から広告を新規作成した上で、「広告クリエイティブ」の設定項目で「クリエイティブツールで作成」をクリックすれば、クリエイティブツールキットが表示されます。
主な機能
クリエイティブツールキットでは主に以下の機能を利用できます。
- トリミング
- 動画の編集
- BGMを追加する
- 字幕を追加する
- 動画内の一部を削除する
- テンプレートの使用
- 複数の画像から動画を作成する
- 複数の画像・動画から自動的に動画を生成する
機能は複数あるものの、いずれも簡単に操作できるものであるので、特別な動画編集ソフトを使用せずともクリエイティブツールだけでクオリティが高い動画を作成できるでしょう。
TikTok動画広告の種類
TikTok動画広告の種類は大きく分けて次の3つです。
- 起動画面広告
- チャレンジ広告
- インフィード広告
起動画面広告
起動画面広告とは、TikTokアプリを起動した際に表示される広告です。静止画であれば3秒、無音の動画なら5秒間表示されます。起動画面広告は動画と動画の間に表示される広告と比べて、訴求力が高いことが特徴です。
また、起動時の広告はスワイプされにくいというメリットがありますが、1日1枠と制限が決まっているため、コストが大きくなりやすい点がデメリットです。
チャレンジ広告
チャレンジ広告はハッシュタグを設定することで、設定したハッシュタグをつけてユーザーが投稿するよう促すものです。例えば「#〇〇 とつけて投稿した方の中から抽選で〇名にプレゼント!」といった企画・キャンペーンです。
設定したハッシュタグをつけてユーザーが動画を投稿すると、キャンペーンに参加できるものが一般的です。このチャレンジ広告は自社の代わりにユーザーが宣伝してくれる仕組みであり、拡散されやすく広告に抵抗があるユーザーにも見てもらいやすい点がメリットです。
インフィード広告
インフィード広告は動画と動画の間に最大で15秒表示されるものです。一般的なSNSのタイムラインに表示される広告と同様に、TikTokでは動画間に配信されます。
インフィード広告は他の投稿動画に紛れるため、自然に受け入れてもらいやすい点がメリットです。しかし、インパクトがなく興味を引かない動画はスワイプされやすい点に注意しなければなりません。
TikTok動画広告のメリット
TikTok動画広告の主なメリットは次の通りです。
- 拡散力がある
- 動画広告がスキップされにくい
- 購買促進につながる
- 低コストで運用ができる
拡散力がある
TikTokは他のSNSと比較すると拡散力と即効性が高い点が特徴です。InstagramやFacebookなどのSNSはフォロワー数が重要で、宣伝用のアカウントのフォロワー数が多くなければ拡散やバズなどの効果が薄い傾向にあります。
そのため、企業・個人問わず、アカウントの運用が軌道に乗るまでに膨大な時間と労力が必要になりますが、TikTokはコンテンツが面白いと受け入れられれば拡散性が高いのです。
これはAIを活用したレコメンドエンジンが優れているためです。フォロワー数が少なくても拡散される確率が他のSNSよりも高いため、企業が新規参入しやすいといえるでしょう。
動画広告がスキップされにくい
TikTok動画広告は、スキップされにくい点もメリットです。TikTokの動画広告は全画面で音声ありの広告であるため、ユーザーはランダムに飽きることなく見続けられるのが仕様であり特徴です。
また、TikTokではスクロールするだけで広告をスキップできます。強制的に広告を視聴しなくても良いので、自発的に広告を見るユーザーも少なくありません。
購買促進につながる
TikTokは購買促進に繋がりやすい点も特徴です。実際に「TikTok売れ」という言葉が生まれたように、TikTok上の動画広告を通して物が売れる現象が流行しました。
実際にTikTok動画広告では、ユーザーの視覚と聴覚の両方に訴えかけられるため、購買意欲を促しやすいです。他にも、TikTokでは誰が「いいね」をしたか分からないことから、ユーザーの心理的安全性が確保されているのが強みです。
そのため、ユーザーも直接的な購買行動につながりやすいといえます。
低コストで運用ができる
TikTok動画は低コストで運用可能です。少額から出稿できる運用型広告メニューがあり、多額の予算を用意せずに済みます。また、動画広告のフォーマットも豊富なため、事前準備に時間をかけずに、気軽に広告を試すこともできるでしょう。
TikTok動画広告のクリエイティブツールキットの使い方
TikTok動画広告のクリエイティブツールキットの主な使い方は次の通りです。
- 自動生成で作成
- 画像から動画を作成
- 複数のビデオを自動的に生成
- テンプレートを使用して作成
- ビデオエディターで作成
自動生成で作成
TikTokでは完成された動画がない状態でも、画像・動画素材があれば自動で動画クリエイティブを作成してくれる機能があります。この自動作成機能は、「画像から動画を作成する」と「複数のビデオを自動的に生成する」の2つの機能があります。
「画像から動画を作成する」は、画像だけでなく動画も使用でき、動画の比率や秒数など条件を指定することで動画を自動で作成してくれるツールです。
画像から動画を作成
先程の「画像から動画を作成する」では、画像1枚からでも作成できます。動画の比率や秒数を選択して画像をアップロードした後に、画面右側の「動画の選択と保存」に「動画を生成する」というボタンをクリックします。そうするとBGMやエフェクトが加えられた動画がすぐに自動生成されます。
複数のビデオを自動的に生成
動画が複数ある場合は、「複数のビデオを自動的に生成する」を活用できます。まず動画素材をアップロードし、「動画を生成」をクリックします。それだけで複数パターンの動画を生成でき、動画だけでなく画像も使用可能です。
生成された動画がイマイチと感じたら「もっと作成する」をクリックすると、別のパターンの動画が自動生成されます。
テンプレートを使用して作成
TikTokのクリエイティブツールの中には豊富なテンプレートが用意されています。これらを活用することで動画を作成でき、テンプレートは「ホリデー」や「人気」などのカテゴリから探すことができます。
好きなテンプレートが見つかったら、テンプレートの仕様に合わせて動画・画像素材を差し替えたり、テキストを変更したりできます。
ビデオエディターで作成
動画の編集、BGMや字幕の追加、エフェクトなどを細かく設定したい場合は「ビデオエディター」がおすすめです。ビデオエディターの主な機能は次の通りです。
- 動画や画像素材をアップロードしてトリミングや秒数の変更などができる
- 動画にBGMを設定できる
- 動画に字幕を設定できる
- 複数の画像や動画素材を設定したとき、1つ前の素材から次の素材へ移動するときの動きを設定できる
- 動画に動きのあるエフェクトを設定できる
- 動画に動きのあるステッカーを設定できる
冒頭の通り、これらの機能を活用することにより、TikTokのツールだけで良い動画を作成できるでしょう。
TikTok動画広告の設定方法
TikTok動画広告の設定方法は大きく分けて次の手順になります。
- プロモート画面への切り替え
- 広告・キャンペーンを作成
プロモート画面への切り替え
まずはアカウントの設定から「プロモート画面」に切り替えます。Business Accountの場合であれば、プロフィールページの右上にある3つの点をクリックし、「ビジネススイート」タブに移動し「プロモート」をクリックします。
クリエイターアカウント・個人アカウントの場合、プロフィールページの右上にあるアイコンをクリックした上で、「クリエイターツール」タブに移動し「プロモート」をクリックしましょう。
動画から切り替える場合は、画面右下の3つの点をクリックして「プロモート」アイコンをクリックすれば切り替えられます。
広告・キャンペーンを作成
広告・キャンペーンを作成する場合は、 まずプロモートしたい動画を選び、目標を決めてキャンペーンを作成します。
その次に、リーチしたいユーザーを選択、予算を設定、動画のプロモート期間を決定すれば設定が完了します。その後、プロモート内容は事前承認が必要で、動画のプロモートが正常に始まると、その旨が通知されます。
TikTok動画広告を作る際のポイント
TikTok動画広告を作る際に意識したいポイントは次の通りです。
- 動画の冒頭に人物の素材を入れる
- 冒頭に惹き付けメッセージを入れる
- テロップを入れる
- トレンドを取り入れる
- 商品やサービスの分かりやすい映像・画像素材を入れる
- 購買行動につながる明確なアクションを示す
動画の冒頭に人物の素材を入れる
TikTokの公式サイトの記事である「TikTok運用型広告クリエイティブTips 〜EC業界〜」によると、次のように解説しています。
冒頭から人物が登場する動画は、登場しない動画に比べて、2秒視聴率が160.2%以上、6秒視聴率が171.0%以上高くなっています。 |
このようにTikTokを使用して広告・宣伝を行うのであれば、冒頭に人物を登場させることにより、ユーザーの興味を惹きやすくなるでしょう。
冒頭に惹き付けメッセージを入れる
動画は視聴者に最後まで視聴してもらえるようにする必要があるため、冒頭の数秒間で視聴者の印象に残る動画を制作しなければなりません。
先程の通り、冒頭に人物を登場させる以外にも、結論や内容を先に伝えたり、視聴者に疑問を投げかけたりすると有効です。商品やサービスの説明だけでなく、視聴者が共感できる内容を盛り込み、ターゲットとなるユーザーを明言すると良いでしょう。
ターゲットを明言することにより、該当したユーザーが気になって続きを見る可能性が高くなります。
テロップを入れる
広告にはできる限り字幕をつけることも動画制作では重要です。例えば、電車の中でイヤホンせずに動画を見る人もいます。このような場合、字幕がなければ内容が分からず、スキップする可能性は高くなるでしょう。
また、重要な情報はテロップの色を変えるなど工夫することにより、訴求力が高まります。字幕なしでは聞き取れないことがあり、頭に内容が定着しにくいことから、分かりやすい動画を作るためにも工夫してテロップを入れるようにしましょう。
トレンドを取り入れる
ユーザーが検索したときに動画広告を見つけてもらうためにも、トレンドを取り入れることも有効です。コンテンツにトレンドを取り入れるためには、「TikTokでは何が人気なのか?」ということを把握しなければなりません。
また、動画で伝えたいこととトレンドがかけ離れていると、分かりにくい内容になるため、「トレンドをどのように利用するのか?」ということも押さえましょう。
TikTokの公式によると「#productivity」がトレンドになっており、各ブランドが人々の生活をより快適にしたり、困っていることを解決したりするヒントやコツを紹介しています。このタグを活用することにより効果的に情報収集できるでしょう。
商品やサービスの分かりやすい映像・画像素材を入れる
広告用の動画を作成する場合は、商品やサービスのイメージを視聴者に持ってもらう必要があるため、分かりやすい映像・画像素材を入れる必要があります。
また、それらの概要を説明するだけでなく、「それを利用したらどうなるのか」「どのようなメリットがあるのか」という点も表現しましょう。動画であれば使用・利用したイメージを分かりやすく伝えられます。
購買行動につながる明確なアクションを示す
動画広告の最後にはユーザーにしてほしい行動を促します。例えば、会員登録や商品購入などが目的であれば、それらの導線を表現しましょう。
例えば、説明と一緒にリンクを貼り付けると良いでしょう。ユーザーが行動しやすいように準備することで結果が出やすくなります。
動画作成の素材集めにアニメーションストックがおすすめ
TikTok動画広告で利用する素材を探しているのであれば、「アニメーションストック」の利用がおすすめです。アニメーションストックは、「アニメなら作れるありふれない動画広告」を制作できます。
また、動画広告のテンプレートを用いることで、動画内のキャッチコピーとBGMを挿入するだけで、簡単に動画広告を制作ができる点が魅力です。テンプレートを有効活用すれば、制作コストを抑えつつ施策スピードを加速させられます。
アニメーションストックでは、素材の購入のみでも利用できるため、ぜひ検討してみてください。
まとめ
この記事では、TikTok動画広告の作り方について解説しました。TikTokは拡散力・即効性に優れており、フォロワー数が多くなくともバズる可能性が他のSNSよりも高いです。
動画がメインのSNSであることから、動画を編集できる機能が優れており、プロモート画面では少ない素材でも広告宣伝に効果的な動画を作成できます。動画広告の効果を最大限高めるためには、プロモーションの目的を明確にし、紹介したいくつかのポイントを押さえましょう。
特に動画素材を用意したい場合は、アニメーションのテンプレートが豊富な「アニメーションストック」の利用もおすすめです。