動画広告とは?注目される背景や活用するメリットを紹介!
近年YouTubeやSNSのユーザー数増加に伴い、オンライン広告の需要が伸びています。
特に、動画広告の活用がビジネスにおいてメリットが大きいと考えられるため、導入を検討している方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、動画広告とは何かを解説し、種類や課金形式、メリットやデメリットなどにも触れていくため、ぜひ参考にしてみてください。
動画広告とは?
動画広告とは、広告クリエイティブに静止画ではなく動画を活用した広告のことです。
2010年代にYouTubeのインストリーム広告が登場し、その後多くの動画広告が出現しており、現在ではWeb広告の中で最も効果的な施策のひとつと考えられています。
動画広告の市場規模は右肩上がりに伸び続けているため、今後のビジネスには必要不可欠な存在と言えるでしょう。
動画広告が注目される背景
動画広告が注目される背景として、インターネット通信環境の改善、スマートフォンやタブレットなど個人所有のデバイスの普及、コロナ禍によって加速した「動画」の需要、広告配信メディア上でも動画広告に対応したメニューの増加などが挙げられます。
生活者にとってインターネットを介した動画コンテンツへの接触が一般化し、それぞれの動画広告メニューや機能が充実していることで、動画広告市場は成長を続けているのです。
動画広告の種類
動画広告の種類は、大きく「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の二つがあり、表示方法や形式の違いによって使い分けられます。ここからは、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
インストリーム広告
インストリーム広告とは、YouTube広告のように視聴している動画と同じ画面で配信される動画広告です。
視聴したい動画コンテンツの前後動画や動画の合間に流される広告で、イメージとしてはテレビCMです。
インストリーム広告には途中で動画広告をスキップして動画本編を視聴できる「スキップパブル型」と、動画広告を最後まで視聴しなければ本編が視聴できない「ノンスキップバブル型」
の2つの形式があります。
インストリーム広告は動画の再生画面内で広告が再生されるため、印象に残りやすいことが特徴です。そして、動画の視聴に対し能動的なユーザーに接触できることも挙げられます。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は動画視聴サイトやアプリに表示されているバナーやSNSのフィードなど、ユーザーが再生する動画本編とは違う枠に表示される動画広告です。
配信できる面が広いためさまざまな動機を持ったユーザーにリーチできることが特徴で、SNSの動画広告などは拡散されやすく広告コスト以上の効果が期待できます。
アウトストリーム広告には、「インリード広告」「インバナー広告」「インターステイシャル広告」といった種類があるため、それぞれを解説していきます。
インリード広告
インリード広告は記事やSNSのフィードなどコンテンツの間に表示される動画広告で、画面のスクロール中に表示されます。
スクロール中に表示された時に初めて動画が再生されるため、広告内容が気になったユーザーに最後まで視聴してもらうことが可能です。
また、インリード広告はSNSを頻繁に使うユーザーの目に留まりやすいため、SNSユーザーが増加している昨今では非常に効果の高い動画広告と言えるでしょう。
インバナー広告
インバナー広告はメディアなどのバナー広告枠に表示される動画広告です。
特徴としては、通常のバナー広告と同様にバナー広告枠に出稿できます。そのため、動画メディア以外の媒体でも出稿することが可能です。
また、インストリーム広告とは違うターゲット層へアプローチができます。
なお、インバナー広告の代表例は、デスクトップ版のYahoo!の右上に表示されている広告が挙げられます。
インターステイシャル広告
インターステイシャル広告はWebページ遷移の間に表示される動画広告で、主に画面の切り替え時に多く表示されます。ページ中央や前面に表示されるため、ユーザーの視認性が高いことが特徴です。
アプリや広告設定によって表示されるタイミングや大きさが異なり、Webサイトの閲覧中やリンクのクリック後などさまざまです。
動画広告の課金形式は3種類
動画広告の課金形式は、主に「CPV課金」「CPM課金」「CPC課金」の3種類で、視聴回数や広告の表示回数、クリック数などが異なります。
それぞれの課金形態について、詳しく解説していきます。
CPV課金
CPV課金は動画広告の再生、視聴1回あたりに課金される形式です。
算出方法は「広告出稿費÷広告再生回数」であるため、たとえば広告出稿費の予算が200万円で1万回視聴された場合は200円となります。
CPV課金には、「入札型」と「予約型」といった2種類の方法があり、入札型は入札形式で表示回数を決定し、それに合わせて料金を支払います。それに対し、予約型は再生回数に応じて料金を支払うものです。。
また、メディアによっては1回の再生回数としてカウントされる時間が異なるため、短い時間で課金されるメディアであれば運用しやすいでしょう。
CPM課金
CPM課金は広告の表示回数に応じ課金されます。再生回数ではなく、表示回数1,000回で課金される形式です。
算出方法は「広告出稿費÷広告表示回数×1,000」であるため、たとえば広告出稿費の予算が200万円で100万回表示された場合、CPMは2,000円となります。
CPMは表示回数が最大になるよう配信され多くのユーザーの目に留まりやすいため、クリック数が期待出来る広告であれば単価が割安になることが特徴です。
新商品の発売やブランド認知を目的とした場合におすすめですが、広告の扱うジャンルによって単価が異なるため、何を広告にするとお得なのかを見極めなければなりません。
CPC課金
CPC課金は広告を経由してWebページをクリックした回数に応じた課金であり、広告リンクを1クリックするごとに課金される形式です。
算出方法は「広告出稿費÷広告クリック回数」であり、たとえば広告出稿費の予算が200万円で1,000回クリックされた場合、2,000円となります。
CPCはクリックされなければ課金されることはなくユーザーのアクションを分析できるため、費用対効果が明確な点が特徴です。
クリック数が上がる配信であることからWebサイトへの誘導に向いているため、商品の購入や問い合わせフォームなどへの誘導が効果的です。
なお、誤クリックによって余計なコストがかかってしまう場合があるため、CPC課金形式の場合は誤クリックの少ない媒体がおすすめとなります。
動画広告のメリット
動画広告の市場規模が急激に拡大している理由には、動画広告を活用することで得られるメリットが多いからです。
では、どのようなメリットがあるのでしょうか。うまく活用するためにも、ぜひチェックしておいてください。
視覚と聴覚の両方で多くの情報を伝えられる
動画広告は、クリエイティブを視聴面と聴覚面の両方から訴求できるため、静止画では伝わりにくい情報をユーザーに伝えることができます。
人間は五感の中でも、主に「視覚」と「聴覚」から情報を得ています。他のWeb広告ではできない「動き」と「音」を用いて、商品の質感やブランドストーリーなど短時間で多くの情報を直観的に伝えられる点は最大の強みです。
ストーリー・意図を伝えやすい
動画広告は最後まで、もしくは長時間視聴してもらうことで効果が最大限発揮されます。
物事を説明する際、事実を列挙するよりもそこにストーリーを加えると何倍も人の心を動かせる可能性に期待できるため、ストーリーを用いることが効果的です。
動画広告を活用しストーリーや意図を意識することで、よりユーザーの心に刺さるものを作れるでしょう。
効果検証をしやすい
動画広告は再生数や再生時間、インプレッション数、完全視聴率、クリック数、コンバージョン率などの指標を簡単に計測できるため、効果検証をしやすいこともメリットに挙げられます。
広告は出稿すれば終わりではなく、広告出稿後の運用も大切です。
効果検証がしやすいとユーザーの動画に対する興味や関心をより確実に確認でき広告の改善点が明確になるため、さらにクオリティの高い広告を作成できます。
つまり、PDCAサイクルを回しやすい広告フォーマットと言えるでしょう。
認知度を狙いやすい
動画広告は認知度を狙いやすく、ブランディングの効果が高い点もメリットです。
動画広告を配信することで、ブランド自体、そして商品やサービスの認知向上とブランド力の強化に繋がります。
ブランディングが促進されることで商品やサービスの単価を上げられたりリピーターの獲得に繋がったりと、さまざまなメリットが期待できるのです。
また、ブランディングを意識した広告を制作することでポジティブなイメージが促進され、「このブランドだから選びたい」「この商品やサービスだから購入したい」という付加価値を形成できます。
動画広告のデメリットや注意点
動画広告には多くのメリットがありますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。
ここからは、デメリットと注意点について解説していきます。
コストと時間がかかる
広告制作段階で自社内に動画を制作できる人材がいない場合、制作会社や専門家に依頼しなければならないためコストがかかります。
また、自社内で制作しようにも動画作成の専門知識を入れることから始めなければならないため、時間もかかってしまいます。
動画制作は工程が多いため、自社内での制作ではどうしてもコストがかかってしまうのです。
動画制作とマーケティングの知識が必要
動画広告を運用するには、動画制作とマーケティングの知識が必要不可欠です。
動画広告制作には、企画、アニメーションや実写の撮影、編集、音楽やエフェクトの挿入、キャプションの挿入などの工程があり、そのためのノウハウや知識が必要です。
静止画広告よりもはるかに多くの知識が求められるため、自社内でのリソースが難しく外注を余儀なくされる場合は少なくないでしょう。
悪い印象も拡大しやすい
動画広告はスマートフォンやタブレットなど、個人が所有するデバイスでの視聴が多いことこら悪い印象が拡大しやすいです。
配信面においてプライベート感が強いからこそ、クリエイティブの内容やターゲットの設置を誤ると嫌悪感を招いてしまい、悪い印象を持たれてしまう場合があります。
また、動画のクオリティが低かったり不適切な表現を使ったりしてしまうと、さらにネガティブな印象を与えやすくなるため注意が必要です。
動画広告の広告媒体
動画広告を配信できる主な媒体は、「Google動画広告」「Yahoo!動画広告」「YouTube」「Instagram」「TikTok 」「LINE」「Facebook」です。
それぞれの媒体によって形式や特徴は大きく異なるため、自社の広告出稿に合わせて適切な媒体を選定することが大切です。
それぞれの広告媒体を詳しく解説します。
Google動画広告
Google動画広告は、Web広告の中でも特に代表的な媒体です。
配信できる面が多く、Webサイトの広告枠に画像や動画を表示するディスプレイ広告に関しては200万以上のWebサイトに配信できると言われています。
なお、Google動画広告はディスプレイに配信する広告のことで、Webサイトやアプリの広告枠に表示されます。
幅広いWebサイトに広告配信が可能であること、人とコンテンツでターゲティングが可能であること、潜在層へのアプローチが可能であることが特徴です。
Yahoo!動画広告
Yahoo!動画広告は、40~50代という比較的高い年齢層へのアプローチに効果的です。
動画広告は動画を最後まで、もしくは長時間視聴されることで効果が最大限発揮されます。
高年齢層ユーザーは他世代と比較し特定のコンテンツを見続ける人が多い傾向があります。そのため、Yahoo!ユーザーとの相性が良く効果的な訴求を見込むことができるのです。。
また、Yahoo!は検索情報からユーザー属性や購買意欲の傾向などを選択しターゲティングが行えるため、特定のユーザーにより効果的なアプローチできます。
さらに効果検証を行いやすいため、すぐに広告を改善できることもメリットです。
YouTube
YouTubeは圧倒的なユーザー数で大人から子供まで幅広く視聴されており、特定の年齢層に関してはテレビよりも見られている媒体となりつつあることから、動画広告を打つならまずYouTubeと考えられるほどです。
ユーザー数の多さが最大の強みであり、多くのユーザーの目的は動画視聴であるため、そこに動画広告があっても問題なくアクセスします。
YouTubeでの動画広告は幅広くユーザーにリーチしたい、ブランディングを図りたい、視聴単価を下げ広告費を抑えたい、長期的戦略で運用したい場合などにおすすめです。
Instagramは大企業から個人店舗まで幅広く利用されている媒体です。
日本だけでなく海外でも人気のある画像と動画中心のSNSで、ユーザーの多くは20代~30代の女性であるため視聴者のターゲットを女性に定めた広告展開が有効です。
動画広告はストーリーズ広告が主流であり、ストーリーズの合間に流すことが可能です。
ストーリーズ広告はリーチ率が高い上、コストを抑えられることが特徴として挙げられます。
TikTok
TikTokは中国発祥のショート動画中心のSNSアプリで、国内月間ユーザー数は950万人以上を誇り、特に若年層に人気が高いことが特徴です。
若年層をターゲットにした動画広告の出稿が有効で、ハッシュタグを活用したハッシュタグチャレンジ広告などが代表的です。
LINE
LINEは日本国内における月間ユーザー数が8,800万人以上と多くさまざまな年齢層に利用されていることが特徴で、幅広いユーザーにリーチすることが可能です。
近年ではLINE VOOMと呼ばれるショートムービー機能が追加され動画広告が出稿できるようになっており、今後の動画広告の活性化に期待できます。
Facebookは実名制で利用するSNSで、プロフィール項目が充実していることが多く広告において精度の高いターゲティングが行えます。
リアルな繋がりのある人でコミュニティが形成されており、登録されている個人情報や行動情報などを活用し幅広い広告展開を狙うことが可能です。
動画広告はタイムラインに表示されるため、ユーザーの目になんとなく入り注目されやすいことが特徴に挙げられます。
Webサイトへの誘導にも効果的で、詳細なセグメントによるターゲティングをした動画広告には最適な媒体と言えるでしょう。
動画作成の素材集めにアニメーションストックがおすすめ
動画広告を作成する際の素材集めには、「アニメーションストック」がおすすめです。
アニメーションストックとは低予算と超時短で動画広告を制作できる動画素材プラットフォームで、ループ系やストーリー系、3DCGなど、さまざまなジャンルに応じた素材が用意されています。ユーザーのニーズに適した素材が提供されていることから初心者でも簡単に動画広告を作成できるため、ぜひ活用してみてください。
まとめ
この記事では、動画広告について解説しました。動画広告市場が拡大している今、ビジネスにおいて活用は必要不可欠と考えられます。
認知拡大や販売促進に高い効果があり今後もさらに需要が伸び続けると予想されているため、自社にあった広告媒体を選定したうえで確実なターゲット設定を行い、最大限の動画広告効果を狙いましょう。