動画広告市場の動向は?マーケティングへの活用のメリットも解説

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最近、日常生活の中で動画を見かけないという日はないほど、動画市場は拡大を続けています。

そして、動画市場が急激に拡大していくと同時に、ビジネスにおけるマーケティング手法の一つとして、「動画広告」はなくてはならない存在と言っても過言ではありません。

動画広告を活用することで、自社および取り扱う商品やサービスの認知向上や売上拡大により良い効果をもたらすことが期待できるため、導入を検討している方は多いのではないでしょうか。

しかし、コストをかけて動画広告を作成し配信するにあたり、費用対効果が気になり導入を躊躇してしまっているケースは少なくないでしょう。

そこで今回は、動画広告市場の動向について解説します。また、動画広告をマーケティングに活用するメリットやデメリット、活用のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

動画広告市場の動向

動画広告市場は年々拡大を続けています。今後もさらに拡大と成長が続くと予想されており、ビジネスとして今後どのようなマーケティング施策に取り組むべきかを判断するうえで動画市場の動向を把握することは大切です。

ここからは、動画広告市場全体の動向とYouTubeの市場規模について解説します。

動画市場全体の動向

株式会社サイバーエージェントが公表した2017年から2024年の動画広告市場規模によると、2019年の動画広告市場規模は2,312億円で、昨年対比では125%成長していることがわかります。

そして、2020年には2,900億円に拡大し、2024年には4,957億円に達する見込みです。これらから、動画広告市場は今後もさらに拡大すると考えられています。

次に、インターネットを介したコンテンツ配信サービスである「オーバー・ザ・トップ(Over The Top)」、略称OTTについて見てみましょう。

OTTは主にスマートフォンアプリで提供されるライブ配信サービスで、動画配信サービスを対象とした日本国内のOTT市場調査によると、2021年は約7,151億円で前年比の約123%の伸び率です。そして、2024年に市場規模はさらに拡大し1兆円を超える見込みとなっています。

この結果からも、動画市場全体が右肩上がりに拡大していることが分かります。

YouTubeの市場規模

YouTubeは世界で10億以上のユーザーを獲得しているビッグコンテンツです。上記で説明した通り、動画市場規模は年々拡大しており、併せて把握しておくべきことはYouTubeを含む動画プラットフォームの市場規模です。

2023年4月から6月のYouTubeの広告収益は約1兆800億円と言われており、2022年度のYouTube広告収益と比較すると前年同期比4.2%と売上が伸びています。

そして、国内における18歳以上のYouTube動画月間利用者数は7,000万人を超えています。YouTubeの需要増加に伴いYouTuberも急激に増加し、タイアップ企業も右肩上がりで増加しているため、YouTube市場は今後も高い成長率で拡大していくと予想されています。

動画市場が注目されている理由

動画市場規模の拡大は止まることなく今後も右肩上がりに伸びていくと予想されていますが、なぜここまで動画市場が注目されているのでしょうか。ここからは、動画市場が注目されている理由を解説します。

SNS・インターネットサービスの普及

まずは、SNSやインターネットサービスの普及が挙げられます。TwitterやInstagram、Facebookなどで動画が活用されているため、SNS利用率の向上は動画市場の拡大に大きく関わっているのです。

2015年以降SNSは動画の活用が進められており、それによりSNS上に流通する動画の量も格段に上がっています。

また、それぞれのSNSサービスでは動画を活用した広告フォーマットが提供されており、動画広告サービスは多様化しています。

あらゆるサービスが広告プランを多数展開しているため、SNS利用率の向上に伴い動画市場規模も拡大していくのです。

通信技術の向上による快適化

動画市場が注目されている理由には、通信技術の向上も挙げられます。現在普及している第5世代移動通信システムである「5G」は、高速大容量通信や超低遅延通信、多数同時接続などの特徴があります。

5Gの登場により高速かつ低遅延でインターネットが利用できるようになり、さらに人が多く集まる場所でも問題なく快適にインターネットが利用できるようになったのです。

通信回線が5Gに移行してから通信速度が10倍以上も向上したため、ユーザーにとって動画がさらに身近なものになり、どのような場所でも動画が視聴できる環境が整っています。

動画技術の向上

近年、通信技術だけでなく動画技術も向上しています。VRやARなどの技術が発展し始め、ゲームの分野においては「ポケモンGO」や「PlayStation VR」などが話題になり、さらにVRやARの技術は手術や航空機のシュミレーションなどにも活用されているのです。

また、動画制作ツールなども数多く登場しており、動画配信や制作の障壁が下がっています。今後、マーケティングの領域でも通常の動画と同様に、このような技術が利用されていくでしょう。

動画広告市場の将来性

動画広告市場の将来性については、動画コンテンツの需要拡大、動画広告の増加、そして各媒体の参入といった要素により、今後もさらに伸びていくことが予想されます。

ビジネスにおいても動画広告を活用することで、豊富な情報量の伝達や認知拡大、購入までの訴求が可能になるため、得られるメリットが大きいと考えられます。

しかし、動画広告を配信できる媒体やフォーマットが複雑化しているため、広告の配信主はそれぞれのシーンにマッチした配信方法を選択しなければいけません。

そのため、動画広告を配信する際はユーザーへのプライバシーや表現の内容を十分に配慮し、視聴者が不快な思いをしないよう対策することが重要です。

動画広告をマーケティングに活用するメリット

動画広告は、他の広告手法にはない大きなメリットがあります。動画広告をマーケティングに活用する3つのメリットについて紹介します。

短時間でより多くの情報を伝えられる

動画広告のメリットとして、短時間でより多くの情報を伝えられることが挙げられます。動画はテキストや写真と比較すると約5,000倍の情報を持つと言われている上、その多くの情報を短時間で伝えられます。

ユーザーは広告理解のために時間を費やしてくれないため、短時間でより多くの情報を伝えられる動画広告は魅力的と言えるでしょう。

主に人は視覚と聴覚から情報を得ていると言われており、動画広告はどちらからもユーザーに情報を伝えられるため印象に残りやすいと考えられます。

視覚と聴覚からアプローチをして多くの情報を盛り込むことで、商品やサービスの販促だけでなく認知の獲得にも繋がります。

一つの動画広告で、自社の情報や商品・サービスの特徴、さらには価格や機能などを発信できるのです。

ターゲットへ効率良く情報を届けられる

MetaやXなど動画広告を活用できるサービスは多くあり、どの媒体をとっても他の広告と同じようにターゲティング精度が充実しています。

登録されたユーザー情報をもとに、年齢・性別・職業など属性ごとにターゲティングが可能なため、効率よく情報を届けられるのです。

また、自社サイトに訪問したユーザーをリターゲティングする手法もあり、それらを活用することで、さらに確度の高いユーザーを効果的に狙えます。

ターゲットへ効率よく情報を届けることで無駄な広告費用を削減し、十分な効果を得ることにも期待ができるのです。

拡散性が高く大きな効果が出ることがある

動画広告は情報量やストーリー性を盛り込みやすく、拡散性が高いことも大きなメリットです。SNSを上手く活用しユーザーの興味を惹く動画を配信できれば、「いいね」や「リポスト」などの機能により情報がさらに拡散され、いわゆる「バズる」という状態になります。

そして、さらに情報が拡散されると費用を抑えて動画一つでリーチを効率的に広げられ、大きな効果を生み出せるのです。

なお、より大きな効果に期待するためにも動画広告を作成する際は「過去にバズった動画」などの事例を参考にし、どのようなクリエイティブであれば他の人にも見せたいと思われるかを考えてみましょう。

SNSでの動画活用は進み動画広告サービス自体が多くなっていることから、SNSと動画の親和性は高いと考えられるため積極的に活用していきましょう。

動画広告を活用するデメリット

動画は情報伝達やエンゲージメントの強化に効果的という特徴がありますが、動画広告を制作し配信することは特別な技術やリソースが必要です。

大きなメリットがあるもののデメリットもあるため、ビジネスを成功させるためにも十分に理解しておきましょう。

マイナスな印象を与える可能性がある

動画広告の内容や配信のタイミングによっては、視聴したユーザーにマイナスな印象を与える可能性があります。配信した側が意図していなくても、挑発的な内容や差別的な表現はユーザーから反感を買ってしまう可能性が高いため注意しなければいけません。

そのため、動画広告制作時は内容が視聴者を傷つけるようなコンテンツになっていないか十分に確認して下さい。

また、ユーザーが視聴している動画内で同じ広告が何度も流れると「しつこい」と、マイナスな印象を与えかねないため注意が必要です。

さらに、スキップができない場合は強制的に動画広告を見せられてしまうため、よりマイナスなイメージを与えかねません。

コストや時間がかかる

動画広告は情報量が多いため一つ制作すれば効率よく運用できますが、その反面他のフォーマットよりも広告を制作するためのコストや時間がかかります。

また、動画広告は画像やテキストの広告と比較すると専門性が深く、制作できる人材が限られていることもコストや時間がかかる理由です。そのため、自社内で動画広告を制作できる人材がいなければ専門家や代理店に依頼しなければなりません。

そして、動画広告のメリットは定量的な効果検証ができることですが、それに対応できる人材がいない場合は外部に依頼しなければならないため、さらにコストがかかってしまいます。

広告内容の企画から動画の撮影、編集など全ての工程で不明点がある場合は専門的な知識を持つ人物に委託しなければならないため、トラブルを考慮し余裕を持ったスケジュールを組み、人材の育成や確保を早めに進めましょう。

動画マーケティングを活用するポイント

動画広告市場に参入し、ビジネスに動画マーケティングを活用しようと考えているいる場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。

ターゲットと適したプラットフォームを選定する

まずは、ターゲットと適したプラットフォームの選定してください。動画広告を配信し効果を最大限に発揮するためには、ターゲット層をしっかりと把握した上で、そのターゲットに合わせたプラットフォームを活用しなければいけません。

そのために、年齢・性別・住んでいる地域等を細かく設定し、商品やサービスの情報を最も伝えたい相手を絞ります。

なお、動画広告の配信先はネット上に多数存在しているため、自社のターゲット層によってプラットフォームを選びましょう。

また、動画マーケティングにおけるプラットフォームは主にSNSであるため、それぞれの特性を十分に理解し、どのような形でターゲットユーザーに情報を届けたいかを考えてください。

企業や商品、サービスによってターゲット層が異なることから、売上に繋げるためにはいかにターゲット層を意識したプラットフォーム選びができているかが大きなカギとなります。

最適な動画制作の方法を模索する

動画マーケティングを成功させるには、最適な動画制作の方法を模索することが重要です。

自社が動画広告に対して費やせる時間やコストをしっかり考慮した上で、最適な方法を選択しましょう。

仮に自社内で動画広告に関するノウハウがない場合は、長期的な視野のもと人材育成を行うのか、それとも外注委託する方が良いかなどの決定は、今後続く動画マーケティングにおいて重要になってきます。

また、動画制作段階での最適な方法は、情報量を詰め込みすぎないです。動画は多くの情報を伝えやすいですが、詰め込み過ぎると動画時間が長くなり離脱のリスクを高める恐れがあります。

また、伝える情報は的を絞らなければ、せっかく動画広告を制作しても肝心のメッセージが伝わらない無意味なものになってしまいかねません。

動画広告で伝える情報は一つに絞り、どうしても多くのメッセージを伝えたい場合は複数の動画を制作する方法をおすすめします。

PDCAを回し続ける

動画広告は配信すれば終わりではなく、広告効果を最大化するには複数のクリエイティブを用意し、効果検証が出来る状態が望ましいです。

そのためには、結果に拘らずPDCAを回し続けることが大切になります。

特に、思うような成果が見込めなかった場合は、何が悪かったのか仮説を立てながら細かく分析し、適切な改善を図ることが重要です。動画マーケティングの効果をより短期で高めるには、期間と測定回数を定め効果改善を行うが欠かせません。

なお、動画の効果測定要素はクリック率・再生回数・視聴維持率などで、特に視聴維持率に関しては動画の長さや内容の必要な個所と不必要な個所を判断する有効な材料です。

このように、動画の文章や静止画の場合よりも、より多くの要素を用いてGoogleアナリティクスやそれぞれの媒体のツールを活用しながら、効果の分析をしてください。

動画作成の素材集めにアニメーションストックがおすすめ

動画広告の作成時、素材集めには「アニメーションストック」がおすすめです。アニメーションストックは、合同会社hooopsが提供するサービスで、動画内のキャッチコピーとBGMを挿入するだけで「5分で作れる」ことが特徴です。また、お手軽な価格であることから広告コストを抑えられる点も魅力と言えます。

見ている人の感情を喚起させるストーリー系、いつまでも見続けられるループ系、映像美で直観的に語りかける3DCG系など、ジャンルに応じたさまざまな素材が用意されているため、ぜひ活用してみてください。

まとめ

この記事では、動画広告の市場の動向や動画広告をマーケティングに活用するメリット・デメリット、そして活用のポイントなどを解説しました。

テレビ離れが当たり前になっている今、動画はインターネットで自分が観たいものを見るという視聴形態が一般化しています。

そのため、動画広告を含めた動画コンテンツの活用範囲が広がっており、ビジネスにおいて動画広告市場の参入は欠かせないものと考えられているのです。

メリットやデメリットについても十分に理解した上で、より効果の高い動画マーケティングに取り組んでください。

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