アニメーション広告とは?メリット・デメリットや運用のポイントなどを徹底解説!
アニメーション広告は商品やサービスの特徴を伝えやすいことから、日本だけでなく世界的に注目されています。しかし、名前こそ聞いたことはあるものの、実際にどのような種類の広告か知らないという人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、アニメーション広告とは何かを解説したうえで、メリット・デメリットや費用、さらには運用のポイントなどを紹介します。
アニメーション広告とは
近年、世界中でアニメーション広告の活発化が進んでいます。アニメーション広告とは、アニメーションの表現方法であるストップモーションやセルアニメ、3DCGなどの技法を用いて制作された動画広告のことです
株式会社サイバーエージェントと株式会社デジタルインファクトが共同で国内動画広告の市場調査を実施したところ、2023年の動画広告市場は昨年対比112%の6,254億円に到達し、2024年は7,209億円、2027年には1兆228億円に達する見込みと予測しています。
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アニメーション広告のメリット
アニメーション広告には費用面や戦略面でさまざまなメリットがあります。ここからは、アニメーション広告における4つのメリットを解説します。
内容を分かりやすく伝えられる
口頭や文字の説明では伝わりにくい内容でも、アニメーション広告を用いることで分かりやすく伝えられます。複雑な内容は口頭や文字で説明する際に難解な言葉を使いがちになりやすく、仮に映像を用いたとしても実写では伝えにくいことがあります。
しかし、イラストを用いると言葉や実写では伝わりにくい内容でも一目で的確に伝えやすくなります。内容を分かりやすく伝えることで視聴者はより鮮明にイメージできるため、商品やサービスの特徴を印象付けることが可能です。特に、ブランディングを重視している場合はアニメーション広告によって得られるメリットは大きいでしょう。
音声なしでも情報提供ができる
アニメーション広告は音声がない場合でも、視聴情報のみで情報提供ができます。昨今、動画はスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での視聴が多いため、移動中やパブリックスペースなど音が出せない環境でも視聴されることが予想されます。
アニメーション広告は、このような環境下でも音声なしで情報提供ができるため、他の広告媒体に比べると視聴してもらうチャンスに期待できるのです。なお、ミュートの状態でも訴求力を維持しつつイラストの動きや文字だけで必要な情報を伝えられるため、時代に即した広告手段と言えます。
出演者のイメージに縛られない
広告にタレントを起用する場合、良くも悪くも視聴者は出演者と商品やサービスに対するイメージがリンクしてしまいがちです。さらに、出演者に不祥事があった場合は企業イメージを損ねるリスクがあります。
しかし、アニメーション広告はそのようなリスクを回避し、かつ出演者のイメージに縛られることなく世界観を構築できるのです。
差別化を図りやすい
アニメーション広告はアニメや漫画、ゲームなどの既存キャラクターを活用するケースと、企業が新たにオリジナルキャラクターを開発する2つのパターンがあります。知名度のある人気キャラクターを活用することで競合他社との差別化に繋がり、かつそのキャラクターがユーザーの関心を惹くアイキャッチ的な役割を果たします。そのため、商品やサービスに対する注目度が高まり、認知度を上げる効果が期待できるのです。
さらに、熱狂的なファン層を抱えるキャラクターを起用することでコラボレーションした商品がファンの間で話題となり、SNSで拡散される可能性にも期待できます。その結果、集客や販促に大きな力を発揮することで、より差別化が図れるでしょう。
アニメーション広告のデメリット
アニメーション広告はメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。デメリットを克服できるか否かが広告戦略の重要な鍵となるため、広告運用を成功させるためにも理解しておきましょう。
費用・時間がかかる
アニメーション広告は静止画広告や実写動画広告と比較すると、費用や時間がかかってしまう傾向にあります。広告制作を制作会社に依頼する場合は多くの費用が必要であり、制作時間も十分に確保しなければいけません。一般的に、制作会社に依頼する場合はシンプルな2Dアニメーションで100万円以下、3DCGでは300万円以上の費用が発生します。
また、低コストで時間をかけずに制作できるケースもありますが、コストと時間を抑えた広告は品質の低下が懸念されるため、それぞれのバランスを十分に考慮しつつ広告制作と運用を行わなければいけません。
自社のブランドイメージとマッチしないことがある
アニメーション広告の特徴はイメージ操作の自由度が高い点ですが、時にデメリットになる場合があります。商品やサービスの特性とマッチしたアニメーション広告はインパクトのあるものに仕上がり、ブランドイメージの定着に期待できます。しかし、その一方でアニメーションのテイストが商品の特性や自社ターゲットから外れてしまうと全く効果を見出さない広告になってしまうのです。
アニメーション広告を作成するにあたって、思い描いたイメージとターゲットとして想定したブランドイメージが異ならないよう注意してください。
なお、デメリットを回避するためには適正なクリエイターを選定する、かつクリエイターとの打ち合わせ段階でイメージの共有を十分に行わなければいけません。
アニメーションの修正は膨大な労力を費やすため、綿密にコミュニケーションを取り方向性を明確にしておきましょう。
制作・運用には幅広いディレクションが必要になる
アニメーション広告は広告制作や運用に関する細かいディレクションが必要です。動画広告制作にかかる手順は非常に多いため、動画運用全般に関する知識とノウハウを持ち得ている人材が求められます。
仮に制作を外注する場合でも自社のイメージやテイストの方向性に相違がないか、高い品質が保たれているかを十分に確認しなければいけません。
そして、それらの担当者を社内に配置しなければいけないため、もし人材がいない場合は教育をする必要があります。
アニメーション広告費用
アニメーション広告にかかる費用は、主にアニメーション制作費、広告運用費、そして代理店に運用代行を依頼する場合の運用手数料です。
アニメーション制作費はアニメーションの種類や長さによって幅があり、広告運用費は期待したい成果に応じて異なります。これらを踏まえたうえで、アニメーションの種類ごとに費用を解説します。
ライトアニメーション
ライトアニメーションは静止画に動きや音をつけたもので、比較的低コストで制作できる点が特徴です。費用相場は50万円から100万円で、制作期間の目安は1ヶ月から2ヶ月となります。
マンガやイラストを用いることが多く、アニメーション広告と同様にマンガ広告に注目が集まっている昨今において、ライトアニメーションはWeb広告のなかでも高い訴求力が期待されています。
インフォグラフィックスアニメーション
インフォグラフィックスアニメーションは視覚的なイメージを用いて内容を伝えるアニメーションで、費用相場は150万円から250万円、制作期間の目安は1.5ヶ月から2ヶ月です。
グラフや表を活用しながら定量的かつ客観的な情報を伝えるため、ホワイトペーパーなどの資料よりも分かりやすく高い信頼性をアピールできます。
ホワイトボードアニメーション
ホワイトボードアニメーションは、真っ白な背景に文字やイラストを書き込みながら進んでいくアニメーションです。自社制作がしやすいため広告費用を抑えやすく、相場は50万円から100万円、制作期間の目安は1.5ヶ月から2ヶ月となります。
手書きで文字を書き込んでいく様子を表現したり、音声に沿ってイラストで補足しながら内容を説明するため、視聴者に深く理解してもらいやすいです。なお、高い品質を確保したい場合は制作会社への外注を検討してください。
イラストアニメーション
イラストアニメーションはシンプルなイラストを動かして表現するもので、ホワイトボードアニメーションと同様に自社制作しやすく、比較的コストを抑えやすい点が特徴です。なお、費用相場は150万円から300万円、制作期間の目安は1.5ヶ月から2ヶ月となります。
元々あるイラストを動かしたり、動きのあるバリエーションを複数用意したりすることで十分広告運用が可能です。親しみのある印象を与えやすく、自社オリジナルキャラクターを活用すると認知度の向上に期待できます。
3Dアニメーション
3Dアニメーションは立体的な動きを表現したアニメーションで、制作には豊富な経験と高度なノウハウが求められるためコストが高くなる傾向にあります。なお、費用相場は200万円から400万円、制作期間の目安は3ヶ月です。
イラストでは表現が難しいリアルな質感や、実際に撮影ができない建設予定のビルや新型の自動車といった商材やシーンを映像化できます。
初期制作費用は高額になるものの一度制作したアニメーションを再利用できるケースがあるため、シリーズ化することでトータルコストを抑えられます。
フルアニメーション
フルアニメーションはキャラクターが自然に動くもので、費用相場は300万円以上、制作期間の目安は3ヶ月以上です。
全て書き起こしのイラストによって制作され、テレビアニメやアニメ映画のような非常に高いクオリティのアニメーションが提供されます。
柔軟なストーリー展開も魅力であり、アニメーション広告のなかでも最も高い制作費用が設定されています。ただし、制作期間も長く確保しなければいけない点に注意してください。
なお、高いクオリティのアニメーション広告はSNSでの拡散も期待できます。
アニメーション広告運用のポイント
アニメーション広告を制作しビジネスで活用したいと考えている場合は、以下のポイントを押さえて運用しましょう。
目的・ターゲットなどを明確にする
まず、目的やターゲットなどを明確にしてください。既存のキャラクターとコラボレーションする場合は世代や数、特性を把握しておくことでファンに対してリーチできます。
自社のオリジナルキャラクターを活用する場合でも、広告を配信する目的やターゲットを十分に考慮した運用が必要です。目的やターゲットを明確にして広告運用することで、より効果的に広告効果を得られるでしょう。
適切な手法を検討する
アニメーション広告にはさまざまな種類があり、それぞれ費用や制作期間は異なります。また、手法によって効果的にアプローチできるユーザー層や期待できる効果が異なるため、自社にとって適切な手法を検討しましょう。
特に、費用面に関しては今後の広告運用に関わる大きなポイントであるため、費用を十分に考慮したうえで選定してください。
多くの人がかかわるため事前に準備する
アニメーション広告の制作は多くの人と協力し合い内容を擦り合わせながら制作するため、事前に十分な準備をすることが大切です。
自社の考え方ややりたいことを理解し、実際に作業する担当者と自社の間にプロデューサーのポジションを設けて牽引する方法もおすすめです。なお、制作会社に依頼する場合は実績が豊富な企業を選んでください。
制作に時間がかかることを考慮してスケジュールを調整する
アニメーション広告によっては制作に多くの時間を要する場合があるため、考慮したうえでスケジュールを調整することもポイントです。
映像表現の制作はさまざまな作業の複合によるため、一概にフォーマット化されるものではありません。期日が決まっている場合は綿密な打ち合わせを行い、その期日から逆算しスケジュールを調整してください。
アニメーションストックを利用し効率化を図ろう
アニメーション広告の制作時、素材集めには「アニメーションストック」がおすすめです。アニメーションストックは合同会社hooopsが提供するサービスで、動画内のキャッチコピーとBGMを挿入するだけで手軽に制作できます。
また、手頃な価格であることから広告コストを抑えられる点も魅力です。
見ている人の感情を喚起させるストーリー系、いつまでも見続けられるループ系、映像美で直感的に語りかける3DCG系など、さまざまな素材が用意されているため活用してみてください。
まとめ
この記事では、アニメーション広告とは何かを解説したうえで、メリット・デメリットや費用、さらには運用のポイントなどを紹介しました。
アニメーション広告はセールスプロモーションやブランディングにおいて利用価値が高い手法です。多くの人に商品やサービスの特徴を伝えやすいというメリットを最大限に活かすため、目的・ターゲットを明確にする、適切な手法を検討するといった運用のコツを押さえておきましょう。